幻惑と眩惑のFrancisco de Goya y Lucientes
町田市立国際版画美術館へ行ってきました。天気も良く、桜も見ごろ。美術館は公園の中にあるのです。
現在同美術館ではゴヤ版画展が開催されており(4月9日まで)、これを観にいきました。1746年に生まれ、1828に外地(亡命先のボルドー)で死を迎えた画家は、僕の研究する時代を代表する芸術家です。
彼の作品には、以後フランス印象派のある画家が大いに影響を受けたところの『スペイン的な暗さ』が明らかです。今回の版画展ではCaprichos, Desastres, Disparatesの三つの連作版画集の全作品展示されていました(ただし、Disparatesには今回展示されたもの以外に4作品子のシリーズのものと思われるものがあるようですが、それはなかったです)。
サイズはA5くらいでしょうか。圧倒的な枚数、暗いというよりは、醜悪なものを執拗に目をそらすことなく描き続ける芸術家の執着にめまいを覚えます。きれいなものをきれいに描く、そういった芸術から逸脱していくひとつの転換点といえると思います。
気持ち悪い作品が多いので、好みでない人にはお奨めできませんが、どうぞ。