想像の肖像のこと
この度のカディス行きで、出来ればカダルソの肖像画を見たいと思っていた。2000年のSeboldによるエディションの始めの方に挙げられている有名な絵だが、Museo Provincial de Cádizにあることになっていた。で、当のカディスに来てみるとMuseo de CádizというのがPlaza de Minaにあるのだが、ここに所蔵されていない。で、どこにあるかというと、1812年憲法美術館というのがあって、そこの入ってすぐのところに、カディス憲法とは関係のないものたちと一緒にかかっていた。いやはや、ここは関係ないだろう、と思うのだが、見ることが出来てよかったです。
僕が誤解をしていたことがあって、それはこの肖像画が想像によるものだとしらなかった。と言うのは描かれたのが19世紀に入ってからのことで、すでにカダルソは物故しているので、画家が勝手に描いた絵であるということだ。つまり、本当にカダルソがこういう顔をしていたかどうかは、分からないし、たぶんこんな顔ではなかったのだ。
なぜ僕がこれをカダルソの肖像だと思っていたかというと、カダルソの詩集に「わが肖像を描く画家に寄せて」というような作があり、実際にこの絵が書かれたときの作品だと勘違いしたのだけれど、おそらく事実としては逆で、この詩を「踏まえて」後世の画家が描いたわけだ。
当の作品を見て僕が気がついたことだが、カダルソの胸にサンティアゴ騎士団の紋章が入っている。これはカダルソが結構苦労して書類を集めて申請し認可されたものなので、ここにこれが描かれていることは大変うれしいことだ。
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そうそう、サマータイムが昨日終わった。(飛行機や電車の時間を間違えると大変なことになるので)危ないところだった。
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