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2012年6月

ギターを新調。

スペインより帰ってきて一週間以上が経つのに、まだ変な時間に眠くなったりする。

ギターの話。僕は2001年からずっとプルデンシオ・サエスのものを使ってきたので、10年ぶりの新調。今回はヘローナのCampsというところのものを入手。キャンプと語源は一緒だけど、カタルーニャの姓。

プルデンシオ・サエスは表がスプルース単板、サイドとバックがメープル単板、ネックがくるみで指板がローズウッド(?)だった。

今回のカンプスは表がスプルース単板、サイドとバックがメープル合板、ネックが杉で指板がエボニー。

このスペックだけを見るとグレードが上がったのか下がったのか分かりにくいかもしれない。メープル合板の理由は、写真で分かるとおり虎目が出ているため。単板で使うのはもったいない、ということなのだが、サイドの裏も虎目が出ていたので、単板でもよかったよなあ。とはいえ、僕は虎目のギターが好きなわけでもない。木材としてはこれは異常なので珍重するのはどうか、という懐疑がある。でも実際自分のギターに虎目が出ているとうれしくなっちゃうのが人情。

Camps

指板がエボニーのギターは実は初めて(ベースはエボニーだった)。エボニーはローズウッドより硬いのでレスポンスが早い。カンプス購入の決め手となったのはネックの重さ。ネックはプルデンシオのほうが薄い。ネックの薄いギターのほうが弾きやすいと一般には言われるのだけれど、僕の手の大きさだと逆に弾きづらいことも出てくるので、ある程度の太さがあるほうが個人的にはよい。文字で書いても伝わらないだろうが、とにかくネックがしっくりきた。これならなんでも弾けちゃうなあ、と。トラスロッドが入っているのも珍しいかもしれない。

プルデンシオは購入した時が一番よく鳴っていたと思う。でもそのころはフラメンコをほとんど知らなかったので弾かなかった。クラシックギターとして使用してきた。かわいそうな事をした。今回はフラメンコを弾くために買った。

楽器は材質でも鳴りが違うだろうが、僕がカンプスを手にして今思うのは「鳴ってるのは塗装(ニス)だよな」ということ。薄塗りだったプルデンシオに比して、とても音が大きい。

この先10年くらいはこれを使うつもりです。

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ミノシロ

物を失くしたり落としたりすると、困ったなあとかもったいないなあ、という気持ちと一緒に、子供時分の情けない感じが蘇ってくる。注意力が散漫でそういうことがあまりにも多かったため、子供心になんで自分はこうなんだろう、と思ったそのころの心境が、漠然とした気配のように思い起こされるのである。泣きたい気持ちだ。
Boss
Calle_uria
Chai
Favades
Figuras_en_barcelona
GijonSalavaldes
Ap
Volcano
しかし大人になっても注意力が抜群に向上するわけではなし、そういうことはなくならないので、これには自分なりに言い訳を考える。そのものを失うこと自体になにがしかの意味があったのだと勝手に考えてみる。たとえば、あれは身の代(身代わり、という意味で)だったのだ、と考えると精神衛生上とてもよい。

今回のスペイン行きでもまた結構いろいろ忘れ物や落し物をしてきたのだけれど、おかげさまで無事に帰ってこれたのだと考えてみると、まあそれはそれでよかったのだと思える。ほんとはよくないけど、よかったことにする。

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オビエドにて

日曜日(6月10日)、バルセロナからオビエド行きの飛行機に乗る。バルセロナの空港アクセスは非常に簡単で、アエロブスという空港バスが5ユーロちょっとで運行している。往復だと割引もあるが、期限がある。夜の9時前に出て、10時ごろにつくけれど、太陽を追いかけながらなのでいつまでも明るい。スペインはこの時分10時ごろまで明るい。到着する飛行機のアナウンスで風が強いといっていた。着いた途端寒いと感じる。そしてアストゥリアスだなあ、と実感する。毎時空港バスが出ていて、7.5ユーロ。オビエドのバスターミナルから、宿まで歩いていく。知っている町というのは安心感が違う。

翌月曜日(6月11日)から学会。受付の仕事をしているのが友達だったり、先生にあったり、初対面の方と話したり。この日の午後僕自身の発表。昼を食べて宿に戻って原稿を読み返しながらスライドに追加することがあり、割とギリギリまで作業していた。発表は大変うまくいった。色々な方から過分な言葉をいただく。その後立食でワインを飲んだり軽食を取るのだけれど、発表を聞いたよ、面白かったと言う方が話かけてくれたりしてありがたい。

学会は金曜日まで続く。三つの部屋で別々のセッションがあるのでロックフェスのようなもの。自分の聞きたい発表を覗きにいけばいい。

今日(6月12日)は、オビエド大学関係でちょっと書類を受け取りにいったりして、忙しかった。この街には僕の馴染みの本屋さんがあるのだけれど(Ojanguren)、親しかった店員がいなくなっていた。話を聞くと不景気で人員整理をしたという。その話をしてくれた人も、僕のことをちゃんと覚えていてくれて、今度10月の学会に役立ちそうな本を探してくれた。ただし、注文しなければいけないものについては、今回は時間がないのでまたバルセロナに戻ったときにラ・セントラル(La Central)で探す。

アストゥリアスは雨が多い。ずっと降り続けるのでなしに、ざっと夕立のように降って、また晴れ間が見えて、また曇って、の繰り返し。買った本を抱えつつ店の軒先で雨宿り。なんとも悠長なこと。

今日はこれから午後のセッションを見に行って、その後夕食をこちらの友人たちととる。

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金曜日より不在。

スペインで学会があるため金曜日から出かけます。学生さんには休講が入り申し訳ないことです。でもちゃんと研究しているんだよ、というところがせめてものエクスキューズなので許してください。こういうことはもうないと思うけれど今回の開催が僕としては縁深いオビエドで、知己やお世話になった先生方に会えるのもありがたいです。今日明日でパッキングをします。

飛行機の中、空港での待ち時間、滞在先で読む本: エルンスト・カッシーラー『啓蒙主義の哲学』ならびにマイケル・ハワード『ヨーロッパ史における戦争』、その他。

ところで、カッシラ(カッシレル)が正しい音訳ではないのか、と思うけれどそのあたりどうだろう。外来姓っぽい気もするので判らないけれど。

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馬の名前

英訳において『ドン・キホーテ』のロシナンテ(Rocinante)がどう訳されたのか、ちょっと調べてみた。網羅的ではないのだが、こんな感じ。

P. A. Motteux "Rozinante"
John Ormsby "Rocinante"
Samuel Putnam "Rocinante"
J. M. Cohen "Rocinante"

つまり訳していないということなのだが、手近の英語辞書を引くとおそらくRosinanteで立項されているのではないだろうか。視覚的にかもしれないが、英語としては感覚として親しいはず。不思議なこともあるもので、発音はロザナンティに近くなる。なぜ僕がそんなことにこだわるのかは、いずれ書きたい。

追記:OEDもWebsterも"Rosinante"で立項。

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