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2011年9月

ほかにも、あるいは

過日、amazon.esの登場によってこういういいことがあるのでは、と書いたのだけれど、多分他にもメリットはあるだろう。友達と話していて考えたのは、中古書籍の流通で、いわゆるマーケットプレイスでの買い物。もうひとつは、既存の書店でインターネット取引をやっているところ、たとえばcasa del libro等との競合で、amazonに危機感を覚える書店はこれまで以上にサービスがよくなるのでは、と期待している。事実先だってcasadellibro.comから書籍を取り寄せたのだけれど、帰国前に到着するか心配していたが杞憂に終わった。一昔前だったら考えられなかったスピーディさである。携帯電話を登録しておくと到着までにSMSに現況を知らせてくれたりするのも面白い。

これらとは関係ないが、英語圏の書籍を贖う上で知っておいて損のないサイトに

http://www.bookdepository.co.uk/

がある。ここは送料が完全無料。普通の郵便で送ってくれるので非常に到着が早い。全て新品。僕が最近一番取引があるのはここである。

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膚の下

膚の下』とは神林長平の小説だけれど、まさしくそう呼びたくなる映画だった、アルモドバル最新作La piel que habitoを見てきた(『わたしの棲む皮』)。幸運にもスペインに来るとちょうど彼の作品が上映されているのだけれど、アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ主演。たとえば、だけれど「誘拐された男が性転換されて女になったあと故郷へ帰る」とか、「娘をレイプされた父親が復讐を遂げる」とか「父親が違う兄弟が強盗に入り、弟に殺される」とか書いても何が何だか分からないと思う。けれど、これらが全部入っているのだ。

アルモドバルをスペインを代表する映画監督と呼ぶことはともかく、スペイン的であるということの危険は繰り返し述べている。あまりにも違いすぎるのだ。けれど、今回の作品はヨーロッパ映画らしい雰囲気と、ハリウッド的なエンターテイメント性が混ざり合っていて、実に楽しい。それから気がついたことには、彼の作品に豊穣な赤の色彩が形(なり)をひそめている。とにかく冒頭から青い、青い、青いのである。

入れ物と中身の関係、シニフィアンとシニフィエの関係、顔と心の関係、なんでもいいけど『フェイス・オフ』を見て『オープン・ユア・アイズ』を見て、かつ春日武彦『顔面考』も併せて読んで欲しい。

必ず日本にも行くと思う。エレナ・アナヤの大きな瞳をスクリーンで覗き込む価値は絶対にある。映画の最後に発せられるセリフ、僕としては「ただいま」と訳されるといいなあ、と思いながら帰ってきた、オビエド最後の夜。

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どこにいこうかと考えながら

スペインはアストゥリアスにいる。もう一日だけここにいる。

スペインはサマータイムで、朝7時ごろでも随分暗く、夜は9時頃でも随分明るい。北でさえそうなのだ。アストゥリアスの中心的な都市は三つ、内陸にあるオビエド、海辺のヒホン、アビレスが見事に三角形をつくっていて、それぞれの間はバスや電車で30分くらい。空港はアビレスのちょっと先にある。空港バスは毎正時に出る。40分くらいかかる。

オビエドには、2007年から数えて5回目の滞在のはず。今年はホベリャーノス学会もあって2回来ている。僕は十八世紀スペインのことを勉強しているのだけれど、この時代の研究の拠点はスペイン国内ではオビエド、カディス、マドリードになる。最後のマドリードは首都なのでなんでもありそうだけれど、オビエドとその大学は、この時代に関心を持つ人にはとても楽しい、そして有益な場所である。だから、僕だってこれから何回も訪れることになるだろうけれど、これまでのような頻度や滞在期間の長さで来ることはおそらくないかも知れない。だから、そうならないことを祈りつつも、何となく別れを告げるような気持ちで歩く。

そう、この数日友人をたずねていろいろな所へいっている。中にはこれっきり次会うことのない人たちもあるだろう。逆に学会の席などで、別の街で会うことが確実な人もいる。オビエドの街は僕にとってとても親しいものであって、街の規模と相俟ってとても愛おしい。そこにある店々や通り、緑溢るる公園や瀟洒な建物の一切が大好きだ。スペインで僕がこんなに好きな街はほかにないだろう。

今後は少しカディスにも目を向けたいと思っている。そこは僕の研究対象の最たるものであるカダルソの出身地でもあるし、カディス大学もある。南は南でまたことなる良さもあるだろう。次にスペインを訪れるときはどこにいこうかと考えながら、そろそろ朝ごはんを食べに行く。

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休講(履修学生の皆様へ)

大学ではちらほら後期の授業が始まっていますね。

僕の授業は10月3日まで休講です。すでに休講の手続きはしてあるので、大学の掲示なども出ていると思いますが、是非ご確認ください。授業があると思っていったら教室が無人、というのは寂しいので。僕はこれまで休講にしたことがないのですが、学生の皆様には申し訳ないことです。なんでスペインにいるのか、その理由は初回の授業でお話しします。

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オビエドを少し紹介。

オビエドへ観光に訪れる方があるかは分からないけれど、この街はなかなかよいところです。お食事処をいくつか紹介すると。

国鉄駅を出て3分くらいのところにファビラというホテルがあるのだけれど、ここのレストランは安くておいしい。もっと手前、駅をでてウリア通りのはじまる所にあるバルはサンドイッチ(ボカディーリョ、フランスパンのサンドイッチ)は安くてヴォリューム満点。店内が禁煙という僕にとっては嬉しい場所。通りを挟んで反対側のお菓子屋さんサンタ・クリスティナは中にカフェもある。

ウリア通りを最後までいってアストゥリアス庁舎の対面には雰囲気の良いカフェが多い。

お酒を飲むなら左折して5分ほど、ガスコナという通りが断然いい。

踊りに、騒ぎに行くならカテドラルの前の広場を抜けて旧市街の方にいくといい。

オビエドの街は観光地ではないので、観光客向けのがっかりさせられるようなお店に遭遇する確率は低い。あとは通りの建物なんかも綺麗だし、青々とした公園もあるし、雨さえ苦にしなければ素敵な所です。向日葵もなければフラメンコもありませんがおすすめ、僕にとってはスペインでもっとも落ち着く街です。

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平常運転

宿のテレビをつけているのだけど、料理番組のようなことをやっていて、チキンのレモン煮みたいなのを作ってる。でも、もう30分くらいずっと作ってる。日本だと下ごしらえしたものが準備されていたりするけれど、本気で全行程を消化している。すごいなあ。

昨日酔っ払っていてぬかるみに足を突っ込む。昼頃目を覚まして靴を見たら泥だらけだった。仕方がないので飛行機でもらった歯ブラシで泥を落として洗う。スペインまで来て何やってるんだか、と思うが自分としては平常運転なので笑ってしまう。

オビエドは随分気温が低い。Tシャツを着てバルセロナから到着した僕はジャケットを買ったけれど、飲みに出たせいで随分タバコ臭くなってしまった。そういえば、タマキビ貝を食べた。何かっていうと、ちっこいサザエみたいな巻貝。スペイン語で"bígaro"という。針で刺してクルクルッと身をとって食べる。磯の香りがしておいしかったです。

今日は随分空が曇っていて、アストゥリアスらしい天気になった。雨がふらないといいけど。

21日はオビエド守護聖人サン・マテオの日。そんなわけでお店が全然開いていない。バルやレストランは開いているけれど、普通の商店はお休み。人通りはあるけれど、寂しい。そろそろお昼を食べに行かなきゃ。

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ubuntuでスペイン語と日本語を交互に書く

おおいに今更感があるかもしれないけれど、以前ubuntuでスペイン語と日本語を交互にしようする方法について困っていることを書いた。キーボードから手を離して、マウスを使って切替えしたりするのが非常に億劫。Windowsの場合に言語の切り替えをすると同時にIMが無効になるので、そういう不便はなかったのだけれど、ubuntuの場合キーのレイアウトが変わってもIMそのものが有効であるので(これは、これで便利だし、使い慣れたレイアウトをずっと使用したいという人にはむしろありがたいはず)ステップが二つ必要であることはすでに述べた。

で、根本的な解決ではないのだけれど、

キーのレイアウトをAlt+Shiftで変更(スペイン語・日本語)
IMのオン・オフをCtrl+Spaceで変更

するというやり方で対処する。もしかすると両方Altを使った方が便利かも知れないけれど(これは自由に任意の組み合わせに出来る)、頭の中を切り替えるのにワンクッション置きたいのであえてずらしておいた。また使いながら考えていく。なおIMのオン・オフは正確にはIMの変更なのだけれど、ひとつしかIMを指定していないなら結果オン・オフになる。複数使っているならば、切替えたあと(たぶん)オフになる。

ubuntuを普段よく使うわけではないのに、写真の管理になるとこと便利に感じる(Shotwellというソフトがあるのだけれど、完成度がすごい)。パソコンに詳しい人よりは、(僕のように)パソコンに詳しくない人にこそおすすめしたいubuntuです。Windowsがいらない、本当に。

予想なのだけれど、大きめのディスプレーを買って、それにちっこいノートPCをつないで作業するということが自分にとって便利なスタイルになりそう。あるいはそんなこだわりなどもう必要ないのか。どこにいっても、どうにかなる、の時代なんだ。それに、出来ないことがあっても「あ、出来ないんだ」で済む気がする。

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amazon.es

いろいろあって、バルセロナにいる。天気が良い。まだまだ夏。休暇の人々で道はいっぱい。

スペインにアマゾンができる。これはちょっとしたニュース。

スペインで本を買う人、あるいはスペインから本を買う人にとっても朗報なのだけれど、さらに日本のアマゾンで買う場合も多少商品の品揃えに幅が出るのではないかと期待している。たとえば、アメリカやイギリスのアマゾンをつかってスペイン語書籍を買うこともある。それはこれらの国にスペイン語で本を読む層があるからなのだろう。また同時に日本のアマゾンでも「こんなの他に誰が買うんだろう」と思うものがある。つまり、アマゾンという会社のターゲットになる国だけでなく、他にも多少商品の融通がされているのだろうと思う。かつ、ときに本国よりも少し値段が安いなんてことも、不思議なことだけれど、あるのだ。

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夏はまだここに

Kmgw

いつまで暑いのだろう。

夏休みの宿題を持ち越しているからだと思う。けれど、僕の夏休みはじつは9月末までなので、要するに夏休みが終わっていないのだ。最近ある本を読んでいた折、刷を重ねる中で著者が書いたことに訂正を加えていて(文を修正したのではなくて、ある記載に誤りであるという指摘を受け、しかもその指摘が妥当である、と注をつけている)、なかなか出来ないことだよなあ、と感心した。

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フレディ・マーキュリの誕生日

フレディ・マーキュリの誕生日でGoogleロゴが愉しいことに!

過日ショッピングセンターの立体駐車場で往復あわせて1時間近く過ごす。自分はこういうところでは車に乗りたくない。

アルゼンチンのとある研究者とこのところ密に連絡を取っていて、ああ、ちゃんと関心が近い人はいたんだ、と安心する。そして、気を抜けないなあ、とも思う。

過去に自分が書いたものなどを少し読み直す。ゆっくりと確実に時間は過ぎていく。

台風災禍、被害にあわれた皆様にお悔やみ申し上げます。

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たべたべ

安曇野食品工房のカスタードバニラヨーグルトがめちゃくちゃおいしい。あまりにおいしいので別の日に買いに行ったらおいてなかった。

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風神出で立つ。

夫婦喧嘩の折、妻はOED15巻を手に振り回し、こんなもの、こんなものと涙交じりの怒号を上げる。夫は、おい、それから手を離せ、それだけはやめてくれ、と言い寄る。その言葉通り妻は手を離し、その書物は夫の足の上に落ちて救急車を呼ぶ羽目になる。

とか、そうじゃないとか。

9月後半スペインに行くつもりだ。旅のお供はこの一著(『新人文感覚1 風神の袋 (新人文感覚 1) 』)に決まり。もう、誰がなんと言おうとな。足の上に落とさないように、ただそれだけだ。

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