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有川浩『三匹のおっさん』

日経平均は回復基調なのにこのところすっかり株を落としているポプラ社にはズッコケ三人組シリーズという不朽の名作があって、子供時代に読んだ、はまったという人は少なくないはず。似たような楽しみは石田衣良『4TEEN』でも味わえるだろうけれど、ほんわかするかというといまひとつか(なぜ彼は良い作品を書かなくなったのだろう、と最近読まない僕が思うのは大変身勝手か)。少年時代に形成されるこの遊び仲間は発達心理学でギャンググループという呼び名がある。社会性なんかを身につけたり、集団で生きていくうえでの機微を学ぶ上で学校よりもずっと大事なものだとおもう。さて、そのギャンググループが60歳を超えたおっさんたちの間に持続していたらどうなるか。有川浩さんの『三匹のおっさん』はそういうお話、といってもよいか。いつしか仲のいい友人などとは疎遠になってしまうもの。それでも、こうやってずっと仲良く年をとっていった還暦越えの仲間がいてもいい。しかも積極的に地域社会にコミットしていく物語。どうやって?正義の味方として。

ドラマも好調な『フリーター、家を買う。』、図書館愛とミリタリー愛が融合した『図書館戦争』(大好き!)でおなじみの著者。上質のエンターテインメントにしてすがすがしい大人の童話、相当の手だれとみた。タイトルに『三匹が斬る!』の残響、あとがきで時代劇と書いてあって納得。

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