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2008年3月

東京国際アニメフェア2008

東京国際アニメフェア2008(Tokyo International Anime Fair 2008)に行ってきました。初めてでした。ワクワク。


会場は東京ビッグサイト。ゆりかもめにのってのんびりとお昼過ぎてから出かけました。初日は12000人を越える入場者があり、会場に着く前から随分たくさんの人と一緒に歩きました。大変広い空間で、空港のようでした。昔一度だけ来たことがあるのですが、随分印象が違いました。

東京国際アニメフェアは国際アニメ見本市というようなもので、日本だけでなく海外からもたくさんお客さんが来て、メディアコンテンツとして契約を交わしたりする場でもあります。それぞれの制作会社やアニメに関わりの深いメディアが妍を競って自慢の作品を紹介しています。


Gundom3月末の開催ということで、これから公開される作品の前哨戦という意味合いもあり、各ブース熱気があります。

もちろんおなじみの作品もありますよ。ガンダムは今新シリーズやっていますけれど、ファーストがメインの僕には嬉しい邂逅でした。サンライズは『コードギアス』続編が四月から放映されます。

前シリーズでは、最後の方でもうキャラの造詣がやばくなっていましたね。また冷静に再開?そもあのエンディングは意味が分からなかったのだけれど。

映画スカイ・クロラ』のブースが入り口脇にありましたが、ちょっと寂しい印象でした。ずっとトレーラーが流れているだけという。まだまだ秘密ということでしょうか。僕は押井監督作品をあまり好きではないのですが、それでも彼が偉大なクリエイターであることは間違いないですね。ルックスも野村義男、ジミー・ペイジ系ですね。天才はちがうなあ。

『図書館戦争』公式サイト

そのProduction I.G『図書館戦争』がなんといっても気になります(ほかには『RD 潜脳調査室査室』という作品もスタートします)。なぜか主人公のキャラクタが似ているのですが、『二十面相の娘』もチェックすることになるでしょう。こちらはボンズの作品。その肝心のボンズのブースはちょっと寂しかったです。どうしちゃったのかしらね。清冽な印象を与えた『交響詩篇 エウレカセブン』を生み出したあの実力を、また発揮してくれることを切に希望しています!

NHK-BSでは『アリソンとリリア』が放送されます。こちらはあのマッドハウス。面白くないはずがないですね。去年はProduction I.Gの『精霊の守り人』でしたが、今年は地上波に登場します。去年見れなかった人は是非!

Yatterwan 今放送中の作品で大人気なのは満を持して復活を遂げた『ヤッターマン』でしょうか。僕も月曜日はテレビの前で正座してみています。写真はヤッターワン。あら、ドロンジョ様もいらっっしゃいますね(左端)。会場ではドロンジョ様になりきれるお面も配布されていました。このあとドロンジョ様が4人現れて、写真撮影の人だかりが出来ていました。なんと、実写映画版も作られるそうです。ドロンジョ様は誰かって?あの方ですよ。『富豪刑事』の!

そう、モーターショーみたいな感じでキャンギャルの衣装が凝っているブースも多くありました。でも多くの人があるいは先入見を持つようなマニアックで妖しい世界ではなく、非常にさばさばと楽しそうでした(僕はビジネスデーに行ったからそう思うのでしょうか)。

4月からもたくさん素敵な作品と巡りあえますように!!!

 


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PCクリニカ

Clinica

「いい音楽は いい歯から」

が高校生の頃からのモットー。

外国へ行く時も複数持って行きます。

最近デザインが少し変わったようですね。現在のモデルは「クリニカ ムシ歯プロテクト」。この長い名前も当初より随分変遷を遂げています。

以前「さくらミント」が春に限定発売されたこともありましたっけ。

ホームページも素敵。本上さんも素敵。

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荻窪アルカフェライブを終えて

3月23日モヒとアフロの二人は、荻窪アルカフェの二曲ライブに出演させていただきました。

Alcafe アルカフェさんはこじんまりとしつつも、壁にはウクレレや弦楽器のコレクションがずらりと並んでいる、素敵な店でした。初めて行ったのですが、大変あたたかく迎えていただきました。

駅からも大変近い。急な階段を登った先は、ゆったりまったり。和座敷もあり、ソファ、椅子席もあり。僕などは姿勢が悪いので一番後ろのソファ席でくつろがせていただきましたが、一番前の席に座ると演奏者との距離が1メートル未満?という近さ。

演奏者としての視点から言わせていただくと、こちらのお店は大変音響がいいです。幾つか考えられる要因はあるのですが・・・

機材がいい!!すごくきれいな、再現性の高いスピーカーが配されています。入店時にBGMがBOSEから流れていて、そこから既に良いなあと思っていたのですが、ステージPAもEVのものを使用されています。お客さんからは分からないのですが、普通演奏者には自分の演奏を確認できるように足元(キックバック)や側面にオーディエンス席とは別のモニターがあります。これが素晴らしいのです。客席については、縦長の空間なので、パンセッティングが容易なのでしょうか。どこにいても結構バランスのいい音で聞く事が出来ます。モヒとアフロとしてはPAを通さずに生音だけでも十分できる広さでしたが、今回はPAをお願いしました。たった二曲しか演奏しないのに入念にチェックをしていただいて、大変やりやすかったです。

当日僕は人身事故に巻き込まれ、人ごみでギターごともみくちゃになり、ケースを開けるとギターがWネックになっていました。どうしよう。

アフロはザリガニ釣りをしてから待ち合わせにやってくる。少し早くお店の場所をチェックして、練習をして、再び店へ。実はこの二曲ライブ、入店順に出演するというルールがあるそうで、あまり遅いと困るなあ(帰れない)と思っていたら、ナント一番乗りでした。心配性が明らかですね。

一番に着いたのでギター(僕のGiorgio Armaniギターですよ)もステージのスタンドに置かせていただき、PAチェックも事前にゆとりを持ってしていただきました。

当日は多くの出演者で席が埋まり(お客さんより出演者が多い!?)、誰もオーディエンスがいないというサイアクの状況は回避されました(一番乗りを恐れていた理由です)。

モヒとアフロは

・海底
・ひかりのはな

いつもの二曲をさわやかに演奏して、あとは悠々と他の方の演奏に耳を傾け、ごゆるりとビールを飲んだとさ。

アルカフェさん、ありがとうございました!!またどうぞよろしくお願い申し上げます。

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5年間、ありがとう

春は出会いと別れ。正しくは別れと出会いかしらね。

3月28日をもってNHK教育『おかあさんといっしょ』のうたのおにいさん・おねえさんが卒業されます。

お二人が新しい歌のおにいさん・おねえさんとして登場したのが2003年の春で、以来5年にわたって子供達に素敵な歌と笑顔を届けてくれました。

今井ゆうぞうおにいさんは劇団出身、はいだしょうこさんは宝塚歌劇団出身。歌も素晴らしいけれど、歌とあわせて流れる、まるでショートコントのようなお芝居も大好き。演技派のお二人でした。「え、こんなことまでやっちゃうの?」という意外性もありました。

歌のみならず、子供達との接し方にも優しさが溢れてましたっけ。

僕は以前しょうこおねえさんをあるコンサート会場でお見かけしたことがありますが、大変美しいお姫様のようでしたよ。

この5年の間に、途中体操のおにいさん、おねえさんである佐藤弘道さん、タリ・キヨコさんが卒業され(弘道おにいさんはナント10年続けられたのでした)、エンディングの体操も「あ・い・うー」から「ぱわわぷたいそう」に変わりました。放送時間も少し短縮されましたっけ。毎日違う子供達と接しながら、嬉しいことも、苦しいこともたくさんあっただろうなあ、と思います。でも、他では得られない貴重な経験となっているのでしょうね。

お二人の今後のますますのご活躍を祈念いたします。

今週もしっかりみます。

『おかあさんといっしょ』はもうひとつ、『BSおかあさんといっしょ』という番組もあって、別のおにいさん、おねえさんが日本全国いろんな地方を巡っています。地方の子は渋谷のスタジオまでいけないという配慮でしょうか。首都圏に住んでてもいけない子もたくさんいると思いますが、ご当地紹介の意味もあって楽しい。ただ、こどもたちにとっては朝やっている「おかあさんといっしょ」とは違う番組なわけで、「きゃー、ニセモノのおにいさん、おねえさんだ」などという懐疑を差し挟んだり、深いトラウマを負うのではないかと心配してみたり。

でもね、『BSおかあさんといっしょ』はまた違うものとして愉しんでほしいのよね。こちらはずっと同じおにいさん、おねえさんで2002年からやっています。これからも頑張ってほしい。

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NHK「おかあさんといっしょ」私設ファンサイトはこちら。内容充実です。

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未来

Orochi時にはポジティブな歌も書いてみる。29歳と3ヶ月の音として録音してみます。

「僕たちは僕たちの青春をあざわらった」なんて、今までは書けませんでした。



これくらい恥ずかしくもなんともないレベルにまで達したということです。長生きはするものですね。

 



未来 (注意:音が出ます!)
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風が君の髪を乱す
僕の声がかき消されていく
どこまでも伸びていくハイウェイに
いつまでも変わらぬ景色
退屈を浮かべる空を見上げた

振り返ることもせずに 深くアクセル踏み込んで
僕たちは僕たちの青春をあざわらった
闇の中 手さぐりで走りつづけるしかないんだ
言葉には言わずとも感覚で分かっている

未来は君のまぶたに気が狂うほどの光の雨注いで
今行く道の果てには絶望の城の影を映す
恐怖に身を固くする
くり返し訪れる悪い夢のように 未来は
君のまぶたに悲劇的な風景を拓く

別れだけが時の歩みに記憶されながら
逃げる力を静かに 確かに 確かに
君の心から奪う
泣きたくても 声をあげても誰もいはしないんだ
すべからく生き物とは孤独なレースを
走り続けているだけ

ただ生き急ぐことを至上の命令と抱いて

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PORT WINE CHOCOLATE

Furuta フルタ製菓の「ポートワインチョコ」が大変美味しい。

中にジャムが入っていて、甘酸っぱい、それでいてチョコの味を邪魔しない絶妙なコンビネーションなり。

チョコレート・ボンボンみたいですが、キャンディーのコーティングに液体を閉じ込めているのではなく、あくまでチョコで包みます。この外側のチョコレートがとても美味しい。

それから、個別包装の紙も真っ赤で大変可愛らしい。キラキラしててゴールドのストライプも上品です。巻いた状態で一番きれいに見える工夫がされているのですね。

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Palladiumとおでかけ

Paadium01フランスで軍靴やブーツ、スニーカーやお洒落サンダルなどを作っているPalladium(パラディウムと読みます)が好きで、また一足。

これで三足目。

これはパラブルースと呼ばれているモデルです。記念モデルみたいですね。フランス国旗をイメージしているのです。実は靴の内側も三色旗なのですよ。Paadium02

これを履いて外に出ると嬉しくなります。

しかも、パラディウムは雨でも雪でも絶対に滑らないという超安全靴でもあるのです。乗り物などの床が濡れていても、キュキュッと止まれます。

値段もお手頃で、コロンと可愛らしい。

普段、僕は靴を買うとまず中敷を買いに行きます。履き心地もよくなりますが、例えばサイズが合わないとか、靴擦れが出来やすいという方も是非お試しください。ささやかなことで随分改善されたり、靴そのものも長持ちします。僕のオススメはドイツのペダック社のもの。少し値段は高いですが、それだけの価値は十分あります。

 

でも、あえてパラディウムはオリジナルのままで履きたい。中にね、すのこのような中敷が入っています。別に何がいいという感じは無いのですが、強いて言えば通気性。これがパラディウムの履き心地だな、といつも思う。麻のシャツを羽織るような心地よさ。

だから今回は中敷を買いに行きませんでした。

嬉しくなって先日施術したストラトを弾いてみる。

クリーントーンでピコピコ弾いてみる。

早く春が来ないかな、と首を長くして。

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Le Chevalier de Jaucourt

最近読んでいる本の中で、強く興味を引かれる主題があったのでノートしておく。

Philipp Blom, Encyclopédie, Madird: Anagrama, 2007.主に143-155ページにある内容から。

Le Chevalier de Jaucourt 百科全書40,000項目を執筆した人物であり、項目数ではディドロに次いで二番目に多い。後半の十冊では、全体のおよそ半分に匹敵する分量である。この作業のために秘書を雇い、彼らに支払う給与を捻出するために家を売った人物でもある。

 

百科全書とはフランス啓蒙主義思想の華であり、今日の百科辞典の始祖である。勿論これ以前に辞書が存在しなかったわけでもなく、百科全書にしてもイギリスのチェンバースという辞書を模範とし、それを乗り越える計画としてスタートした。その中で燦然と輝くのはドニ・ディドロ、あるいはダランベールの名であろうか。いや、そうでは恐らくなくて、恐らく想像を絶する数の人間がこの人類の偉業に携わった。印刷工、製紙業者、装丁者、その他最盛期にはパリの人口の10人に一人がこの事業に間接的に携わっていたということは案外知られていない事実でもある。それにしても、編集の要として采配を振るったディドロの名はともかく、中途で計画を放棄したダランベールの名に隠れて、どれほど多くの項目執筆者があったことだろう。貢献度ではジョクールの方がよほど重要な働きをしているのである。そして、百科全書派を語るに際して、殆ど取り上げられることが無いばかりか、退屈な一人物として評されるこの男の生はドラマに満ちている気がしてならない。

 

Louis de Jaucourt (1704-79)

ジョクール家は元来ブルゴーニュ出身の名家で、16世紀プロテスタントに改宗した。カトリックのフランスでは迫害を受けることになるが、一方で高名な大貴族との交流もあった上流家庭であることも確かな事実である。宗教的に親和性の高いスイス、ジュネーブにて若きルイは教育を受けた。迫害を恐れてLouis de Neufvilleと名乗っていた。

 

学んだのはカルヴァンの設立した学校である。スイスでの教育を修めると英国ケンブリッジに渡る。英国を気に入り、彼の地で研鑽を積むが、一方で教授陣と学生達のいい加減さにうんざりもしていたようだ。英国では後の首相Bolingbrokeや、彼を介してVoltaireの知遇を得、Bolingbrokeの屋敷に集まるSwiftPopeといった芸術家とも交流した。

 

科学への関心を強め、医者になることさえ考えた彼は、プロテスタントの世界で医学の中心となったオランダのライデン大学に移る。当時は珍奇な物品の蒐集と科学への関心が決して分離してはいない時代であったが、この地で彼は当時ヨーロッパ最大級のAlbert Sebaコレクションのカタログ編纂という大事業に参加する。全八巻、36年かかって刊行された大著である。オランダ時代、友人に宛てた手紙が残されている。

 

この地に住んで4年、様々な学問に取り組んでいますが、とりわけ関心を引かれるのは医学です。時間の大半はこれに費やし、残りの時間はあらゆる種類の読書に宛てています。こうして時間を過ごし、ゆるやかに健康を害していますが、そんなものは僕にとってどうでも良いのです。学べば学ぶほどに、自分が無知の中に飲み込まれているということを痛感するのです。

 

オランダでの生活を大層気に入っていたが、父の死による祖国フランスでの相続問題に関して帰国し、以後本名のJaucourtを名乗るようになる。莫大な遺産を手にした彼は静かに科学の研究に打ち込む。

 

彼が着手した医学辞典はフォリオ版(31.5×21.5cm)で6冊にも及ぶものとなり、1750年ようやく完成し、出版のためオランダへと交渉に行く。当時のオランダは出版の中心地で、検閲におびえることなく自由思想の出版物やパンフレット等が発行されていた。話がまとまり、帰国するや原稿を発送するが、彼の力作を積載した船が嵐に遭い沈没する。他にコピーは残っていなかった。この年ジョクールは47歳。彼の落胆は想像するに余りある。

 

1751年、彼は医学、科学の知識を元にディドロに百科全書執筆にあたっての支援を申し出る。海の藻屑となった知識や、手元に残った資料を有効に活用する意味では、他に活路を見出しえなかった。百科全書は既に第一巻が世に出ていた。

 

ジョクールについては、肖像画が残されていない。百科全書に参画したメンバーの群像絵画はあるが、どの人物が当のジョクールであるかは定かではない。

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今この瞬間に会えたのなら

Say a little prayer

 

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 落ち着いた照明の中で、君は人を待っている。

 まばらに人が街路を行き交う様子を、冷えた指先を温めるようにして、軽くこぶしを握りながら、君は眺めている。人と出会うたびに、君は自分であることを放棄している。相手が何を望んでいるか、相手は何を君に期待しているか、周到に計算する中で、君は君自身を放棄する。複数の対話者が抱く君のイメージこそが、君という主体で、積分の結果に過ぎない君という人格が、煙のようにふわりふわりと浮かんでは消えていく。

 君は君の望むように生きることが出来ない。その感覚をどこから引き出しているのか。君は君以外の何ものにもなれないというその事実を、君はまだ丁寧に自分の身体から引き剥がすことが出来ない。君は君を引き受けることに強い不満がある。

 天井近くに、安っぽいステンドグラスがはまっている。舞い上がる埃さえ、鮮やかな色彩に染め上げて、光は注いでいる。

 「あなたといると、自分らしくいられるの」と屈託の無い笑顔で彼女が言った。その信頼を常に裏切り続けることで、君は都合のいい人格を選択する。

 「君はよく気が付くね」と安心を頬に浮かべて彼が言った。自分が便利な駒の一つに成り下がっていることに、君は必ずしも嫌悪感を抱いてはいない。

 触手のように伸びるイヤホンの先から、もうずっと以前からブラームスが垂れ流されているのだけれど、音楽を聴くのでもなく、聴かないのでもなく、楽章が変わることだけを感じている。

 音楽も寄る辺ない。

 人間も寄る辺ない。

 掌から零れ落ちる時間も、記憶も、同じく心許ない。

 音楽はいつから、こんなにも手軽なものになったのか、と考えるたびに君は戦慄を憶える。交換可能なプレイヤー。再生装置と演奏者が同じ名で呼ばれることの皮肉。

 君は待ち合わせに遅れることが出来ない。

 君は軽薄な微笑を捨てることが出来ない。

 ただ一度、沙織だけがこういった。

 「あなたは善人の仮面を被っているだけなのよ」

 「映画が嫌い」だと沙織が言ったから、君は彼女に全幅の信頼を置いている。映画が好きだというのは、嗜好を表現したことにならない。映画は、嫌いでない限り、自動的に「好き」という範疇に押し込まれる危険なカードだ。だから、積極的に憎悪しなくては「映画が嫌い」だとは口にすることさえ出来ない。

 雨の多い季節に、よく彼女はリビングでトリュフォーの作品を見ていた。くり返し、見ていた。深夜には小さなその頭に、不釣合いな大きさのヘッドフォンを載せて、夜の闇に小さな電気の粒を零す画面の前で、震えるようにそれを見ていた。

 今この瞬間に会えたのなら、君たちは失敗したゲームをやり直せるのではないか。

 今この瞬間に会えたのなら、その毅然とした姿に抱いた憧れを伝えられるのではないか。

 大事なことは何一つ伝えられないまま、四年もの月日を同じ部屋で過ごした。

 あの頃は、見透かされているという不安が君の中にあり、ヘンリ・ジェイムスをソファで読む彼女の姿に嫌悪感を覚えた。一つ一つのことに、軽いめまいと吐き気を覚えながら、君たちは互いの時間と心を削っていたのではないか。

 食器のぶつかり合う音、十四時ちょうどにオルゴールが流れる。雲が晴れ、ステンドグラス越しの光が強度を増す。

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ウィルキンソンのジンジャーエール

 センセイは、炭酸水、お好きですか。つづけて、わたしは聞いてみた。
「話が飛びますね。ワタクシは、そうですね、昔からウィルキンソン社の炭酸水を好んで飲みます」(112)

川上弘美さんの『センセイの鞄』(文春文庫)のなかにこういう文章があります。

Wilkinson02 ウィルキンソンという音がいい。レトロなような、新しいような。ウィルのキンのソンなんだ、と。

ギターの世界にはウィルキンソン・トレモロ、というこれまたレトロなような新しいようなものがあって、・・・まあ、いいや。

ウィルキンソン社の飲料は、瓶のデザインがお洒落で、なんとなくハイカラな感じがします。どこのお店で取り扱っているのかは分からないのですが、僕は少し足を伸ばしたところにあるスーパーで邂逅。Wilkinson01

その喜びを、小高い丘の上で思いっきりアピールして見ます。

なんか、コーラみたいに見えますね。ちがいますよ。

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ジェネリック

年が明けてから毎月のように病院へ行っている。先週より具合が悪かったのが、週末ひどくなり、今日もまた。

頭も痛く、体も火照っているのだが、熱を測るようなことはしなかった。熱があると分かればそれはそれでさらに辛さが増すばかりで、事態の改善には至らない。鳥の平熱は人間よりも高いという。

病院に行って検温すると案の定熱があり、ちょうど携えていた『第三阿呆列車』で内田百閒も熱を出している様子。笑う。

さて、診察が済み薬局へ行くとジェネリック医薬品を薦められた。初めてのことである。昨今医療費負担圧縮のためにジェネリックを推奨する声は様々な形で聴いていたが、自分で薦められたのは初めてで、驚いた。それから、僕より後に来る人へも次々ジェネリックを薦めているのだが、殆どの人がジェネリックと聞いて、「ああ、あれね」という顔をするので、なるほど宣伝する価値はあるものだなあ、と思う。知らず知らずに啓蒙されていましたか。

ジェネリックというのはジャンルという言葉、ジェネラルという言葉と同根のはずで、「同じ種類のクスリですよ」というような意味か。生物学で言う「属」というやつだ。英語の辞書を引くと商標登録されていないクスリ、と出てくるが、これは商標の問題じゃなくて特許のパテントの問題だと思う。ジェネリック医薬品にも名前はそれぞれついているのだ。

同じ成分、同じ効き目ですよ、というものの同じ製造過程で作られるわけではないので、思うような効果が出るかは、実際不明ではある。同じコーヒーでも違いが分かる人がいるようなものだ。それに病は気からというけれど、「あのいつもの薬」じゃないと効かないと思っている人は、あえてジェネリックにするより、普段飲み慣れているものを服用した方がよろしい。成分で治る病気ならそれはそれでいい。気持ちで回復すべきなら、したいようにさせてやるのがいい。

薬価を調べてみると、ジェネリックと先行発売製品(最初にパテントをとった会社のもの)の差は大きいなあ。これは医療費負担圧縮に大いに役立つであろう。感心。

さて、袋を開けて目に入った薬の名前が大変よろしい。

リカバリン!

いかにも治りそうな名前だ。

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EXPRESSION

表情豊かなダンボールFace02 ちゃんの写真。Face01

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緊急外科手術

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。

とは漱石であったか。親譲りかどうか走らないけれど、後先を考えないことにおいては人後に落ちない自信がある。

さて、過日よりそれはもう随分とエレキギターを弾いておりましてですね、ちょっとノイズが気になるのでアースをきちんと取ってやろうかな、ということになったわけであります。

Strat01 10年ぶりくらいにストラトの内臓を開く。しかも朝五時に。半田ごてを片手に朝を迎える。

へー、こんな風になっているのですね。いや、絶対違う。ストラトは3ピックアップだし、そも配線材が明らかにおかしい。

これはモンスターケーブルのオーディオ用です。なんか、異常な音が出るはずです。ミドルは外してサウンドホールになっており、フロントとリアの両方が直接ジャックに繋がっている。ボリュームなし。潔いことこの上ない。

でも半田ごてをいじるのも久しぶりで、眠くて、寒くて、面倒くさくて途中で投げ出したいのですが、まさか内臓を引っ張り出したままストラトを見捨てるわけにもいかないしなあ。仕方ないので最後まで頑張る。まず古い配線を外して、ベルデンの新しい線で繋ぎ直していくのですが、古いのが取れない、取れない。もう、誰だこんなひどいソルダー(半田)の載せ方した奴はー!

自分でした!

 

もう、なんか謝罪したいのだが、音はすごくきれいでした。

で、この度私はリアだけにして(ついに1ピックアップ)、ボリュームを載せて、アースを取ります。

Strat02 それから、ヘッドをソニーのブランドロゴで覆っていましたが、久々に外しました。

ほらね、本当はフェンダーなのですよ。ごめんね、今まで黙ってて。

1994年にストラトキャスター生誕40周年を記念したモデルですね。ビンテージピックアップ搭載。長らく封印されていたLPBがカラーリングとして復活したのもこの年です。赤いギターを買いに行って、青いギターを抱えて帰ってきたのでした。

その頃僕は高校生。中学二年生からアコギをかなり引き込んでいましたが、高校生になったらエレキも買おうと思いました。選択肢はストラトしかありませんでした。僕にとってはストラトよりかっこいいギターは無かったのよ。レスポールとかは鈍重な感じがして嫌だったし、それ以外のメーカーは眼中に無かった。

Xを弾き、The Venturesを弾き、No doubtのコピーバンドもし、それからとにかくレコーディングもなんでも一緒にやってきた仲です。人生の途中でそういえばもう一つストラトっぽいギターを手に入れたことがありましたっけ。ラージヘッドのマニアックなモデルでしたが、今はラージヘッド流行ってるんですかね。Fenderの替わりにGenderという自作ロゴをつけて友達に贈与。元気かしらね。

このストラトは生音が大きくてアンプ要らないな、といつも思っていました。トレモロはロックしてあります。アーム使いたい時はどうするかって?

口で言うんだよ。

ギュイーンって。

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文庫十冊、旅に出るなら

旅行好きでない僕は、たいてい部屋の中でごそごそと遊んでいるのだけれど、仕方なく旅行へいくときには、とりわけ外国へ行くときには、やはり本を持って行きたい。重いものは避けたいので、文庫本を持っていくことになるだろう。短い滞在かもしれないし、長い滞在かもしれない。待ち時間ばかりの旅程は、人生そのものだ。それならば。

筒井康隆『残像に口紅を』
川上弘美『センセイの鞄』
辻仁成『サヨナライツカ』
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
萩尾望都『トーマの心臓』
吉本ばなな『キッチン』
高村光太郎『智恵子抄』
オースター『ムーンパレス』
佐々木丸美『崖の館』

こういうことを考えているだけで、気の進まない旅が多少楽しみになるのは不思議だ。最後の一冊は旅先で出会う本のために空けておこう。おそらく、人生で何度と無く繰り返し読む本によって、人間は組成されている。言葉、言い回し、感受性の全てが、作られたものとしてある。僕は僕以前に僕であったか。

いきながらつくり、つくりながらいきていく。

もう僕は本当に、本なんて読まずに生きていたい。

眼前の物語から、逃れるようにページに視線を落とす。

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モヒとアフロ、歌を歌いにいく

少し先の話ですが、3月23日にモヒとアフロは演奏させてもらうことになりました。

荻窪にある、アルカフェというお店です。アルカフェは人前で演奏したいというミュージシャンに大変フレンドリーな雰囲気のお店です。僕たちもここで演奏させていただくのは初めてになりますが、今から楽しみ。

2曲だけのライブですが、動くモヒとアフロを見たいという方は是非お足運びください。ダサくない惰性音楽、WaTを越える爽やかさ、30歳を目前にまだまだ音楽は続いていきます!

お問い合わせは直接お店までよろしくお願いします(03-3391-2046)。

もー、モヒとアフロなんてどうでもいいから、お酒飲みたい、という方。うってつけ。

ふらっとお立ち寄りくださいませ。

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