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日曜日、マルセーを読む

この日の手帳には「Juan Marsé読む」と書いてあります。これまでなんとなく緊張したところがあったのですが、するべきことも終わって、好きなことをしようという決意が滲んでいます。

Cf 過日オビエド到着の折、芝生と緑でいっぱいのカンポ・フランシスコを見て、散歩したいな、と思っていました。

宿をとった大学の寮からすこし歩いたところなので、気軽に行けます。

整備されて入るのだけれど、自然の力強さが随分残っている庭園で、フランスともイギリスとも違う庭園の造り方だなあ、と思います。

Cf1 やはり目に嬉しいのは緑。

芝生が生えているだけで嬉しくなってしまう。

ベンチや、音楽などのコンサートを開く小さな舞台なども設えてあって、休日に散策するにはぴったりの場所です。

マルセーの本を携えて、ベンチに腰掛けて、ひんやりした空気の中で一人。

どこまで行っても一人だ。

マルセーは1933年に生まれたカタルーニャを代表する作家です。長編を主に書いているので、短編の数はそう多くないはず。作品はカスティーリャ語で書かれていて、舞台や地名にカタルーニャ語が入ってくる程度ですが、そういう地方色を抜きにして、いい作家です。僕の好きな作家ハビエル・マリアスは、今年Tu rostro mañanaという三部作を完結させたのですが、その彼が机の上にマルセーの写真を飾っています。つまり僕がいいたいのは、マルセーをカタルーニャの作家だと限定しながら読むことよりも、スペインでスペイン人が読み、愛してきた作家として彼を捉えることがまず本義だということ。

さて、表紙をめくって第一ページに、僕はこんな書き込みをしています。

昼下がり
公園のベンチで
本を読んでいたら
栗の実が降ってくる
-30 Sep. 2007

栗じゃないかもしれないけれど、イガイガがついている平べったいものが降ってきます。それを子供が拾ったりして、とてものどかな風景。パチン、パチンと地面に落ちて、緩やかなカーブを描いて、ほら足元にも。

Cf2 遠く噴水の音が聞こえるので、そちらにも足を向ける。

こういう噴出す水はあまり僕の好みではないなあ。

この池の中ほどに島がありまして、おや、亀が日向ぼっこ。

子供達が、大人たちが、次々目の前を通り過ぎて行って、太陽が雲にさえぎられて、雨がパラパラと落ちてきて、それからまた日が差して。
Cf3
長月、終わる。
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人間もひるね
鉄瓶もひるね
(高村光太郎)

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