手術の日
14:00、電車に乗って移動中に電話が鳴ったので、普段降りない駅で飛び降りる。はっぴぃの入院している病院からで、午前にあらためて血液検査等を行い、昨日と変わりない数値を示しているそう。これより麻酔をかけて手術を行うとの連絡でした。くれぐれもよろしくお願いします。何度も、何度も。
子宮自体を摘出する場合2時間程度かかるそうです。今回は膿が溜まった子宮なのでもう少し時間がかかるかもしれません。それから、超音波診断(エコー)で分かったことなのですが、脾臓という臓器に腫瘍の影がありました。腫瘍というのは良性と悪性があります。どちらも細胞の数が増えてしまって塊が出来るのだけれど、ほったらかしておいて問題がないものと、取り除くべきものがある。まあ、ないに越したことはないですね。
脾臓の処置については、主眼である子宮摘出にかかる時間や麻酔の安定性、効果、実際の脾臓の状態を目で見て取るべきかどうかを判断していただくことになりました。度重なる開腹手術にはっぴぃさんが受けるストレスも計り知れないので、もし悪いものなら今回取ってしまった方がよい。こちらも摘出する場合4時間くらい手術にかかるとのことでした。手術が終わった時にまたご連絡いただけるとの事。
14:30から手術がスタート。僕は大学にいて、そわそわと電話がかかってくるのを待っていました。落ち着きがないというか、何にも集中できないのだけれど、かといって何もしないでいることも出来ない嫌な時間でした。
電話がかかってきたのは17:30でした。手術が終わり、はっぴぃが麻酔から少しずつさめてきているということでした。子宮と脾臓の摘出が済んだとのことでした。ありがとうございました、と何度も、何度も。馬鹿みたいに。
会いに行くのは明日。連れて帰ることは出来ないけれど、そして辛くなるだけなのだけれど、顔を見に行って、手術の様子などをうかがいます。摘出された子宮も見ることになります。僕は正直そういうのを見たくないのだけれど、それはちゃんとやはり見に行かなくてはいけないと思います。
これこれこういう理由で手術するということを、僕ははっぴぃに言葉で伝えてあげることは出来ません。はっぴぃにとって、手術そのものが麻酔で眠っている間にお腹が切られて、目が覚めると大怪我を負っているという事件でしかない。はっぴぃにとって手術は、理由も分からず加えられる圧倒的な暴力でしかない。だからこそ、僕はそれを見て、聞いて、理解する義務があると思っています。
昨日病院に行って、そのまま入院。翌日手術というあっというまの出来事でした。昨日検査の結果を知らせる電話を受けてから、ふわふわと病院まで歩いていきました。くねくねと道を歩き、階段を歩き、セミの声もしていたはずなのだけれど、とりあえず気付いたら病院についていました。こういうとき取り乱すとみっともないことだよなあ、と頭の中でリフレインしていて、大人なんだからしっかりしなきゃ、と。本当にあっという間にいろんなことが過ぎて生きました。そっか、発見から手術の完了までその間48時間もなかったんだ。
お世話になった病院では今日は休診であるにも関わらず、手術してくださいました。普段の仕事と並行するのではなく手術が行われたことにどれだけ安堵を憶えたことでしょう。本当にありがとうございました。
励ましの言葉をいただいた方や、はっぴぃのためにお祈りしてくれた方も本当にありがとうございました。
とりあえず明日顔を見てきます。おやすみなさい。
よかった。本当によかった。
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そんな緊張が解けたら、僕自身とても体調が悪いことに気がつきました。そんなわけで、明日は動物病院のあとに人間の病院をはしごすることになりそうです。
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